風がおもてでよんでいる

最近、朝4時ころに目が覚めてしまいます。

いつもならそのまま目覚ましが鳴るまで
浅く眠ってしまうのですが
今日は外で風の音が強くて
びゅうびゅうというその声(音?)を聞いていたら目がさえてしまいました。

外で風の音が鳴っているのを聞くと
いつも思い出すのが賢治のこの詩です。


[ (風がおもてで呼んでいる)先駆形 ]


 おもてで風が呼んでいる
 
 起きあがり

 赤いシャツと

 終わりのぼろぼろの外套を着て

 暗いみぞれの風のなかに出て行き

 葉のない黒い林のなかで

 早くわたくしと結婚しろと

 風がおもてで叫んでいる




最終形とされる長いほうの詩も好きですが
わたしはこの先駆形の、二人称(?)のものが好きです。
(決して書き写すのをさぼったわけではありません!)
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# by signaless5 | 2008-04-10 00:00 |

春と修羅

1922年の今日、4月8日、賢治は心象スケッチ 『春と修羅』を描きました。

春と修羅
         (mental sketch modified)

   

   心象のはいいろはがねから

   あけびのつるはくもにからまり

   のばらのやぶや腐植の湿地

   いちめんのいちめんの諂曲(てんごく)模様

   (正午の管楽(くわんがく)よりもしげく

    琥珀のかけらがそそぐとき)

   いかりのにがさまた青さ

   四月の気層のひかりの底を

   唾(つばき)し はぎしりゆききする

   おれはひとりの修羅なのだ

   (風景はなみだにゆすれ)

   砕ける雲の眼路(めぢ)をかぎり

    れいらうの天の海には

     聖玻璃(せいはり)の風が行き交ひ

      ZYPRESSEN 春のいちれつ

       くろぐろと光素(エーテル)を吸ひ

        その暗い脚並からは

         天山の雪の稜さへひかるのに

         (かげらふの波と白い偏光)

         まことのことばはうしなはれ

        雲はちぎれてそらをとぶ

       ああかがやきの四月の底を

      はぎしり燃えてゆききする

     おれはひとりの修羅なのだ

     (玉髄の雲がながれて

      どこで啼くその春の鳥)

     日輪青くかげろへば

       修羅は樹林に交響し

        陥りくらむ天の椀から

        黒い木の群落が延び

          その枝はかなしくしげり

         すべて二重の風景を

        喪神の森の梢から

       ひらめいてとびたつからす

       (気層いよいよすみわたり

        ひのきもしんと天に立つころ)

   草地の黄金をすぎてくるもの

   ことなくひとのかたちのもの

   けらをまとひおれを見るその農夫

   ほんたうにおれが見えるのか

   まばゆい気圏の海のそこに

   (かなしみは青々ふかく)

   ZYPRESSEN しづかにゆすれ

   鳥はまた青ぞらを截る

   (まことのことばはここになく

    修羅のなみだはつちにふる)

   

   あたらしくそらに息つけば

   ほの白く肺はちぢまり

   (このからだそらのみぢんにちらばれ)

   いてふのこずえまたひかり

   ZYPRESSEN いよいよ黒く

   雲の火ばなは降りそそぐ

   
賢治はいったい何にいかり、はぎしりし、ゆききしていたのだろうか・・・

賢治の抱いていたものと
私の抱くものの
質は雲泥の差があるとは思うけど
その気持ちは少しはわかるような気がするのです・・・

難しいことはわかりませんが
そういう同感のようなものが
賢治と出会ってからずっと私が彼を想いつづける理由かもしれません・・・
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# by signaless5 | 2008-04-08 00:00 |

賢治のバラ

私が嬉々として小さな我が家の庭をハーブやバラで飾り立てていたのは
もう10年ほどまえになるでしょうか。
可憐で香り高いオールドローズが好きで
岐阜のばら園から苗を取り寄せて植えたものでした。

賢治が愛したバラのことを知ったのは確か
賢治の教え子から取材したTV番組だったと思います。
Gruss An Teplitz 和名:日光
という名のバラです。
最初に手紙で問い合わせた時は、その品種は扱っていません、という返事でしたが
しばらく経って送られてきたカタログには、ちゃんとその名がありました。
すぐに注文して、どんな花が咲くだろうかと
わくわくして春を待ったものです。

あれから、何年かはその美しい花を愛でましたが
下の子を身ごもり、つわりのひどい私は庭の花の手入れどころか
水やりさえおぼつかず、そのほとんどを
無くしてしまったのでした。。。。

でも、あの深紅のやさしい香りのバラは
私の心の中で咲き続けています。。。
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# by signaless5 | 2008-01-08 00:00 | 賢治

はじめに

私の中に生きている宮沢賢治というひと・・・

ひとりでいろいろ考えていると
ときどき誰かにきいてもらいたくなることもあります

私はただの一ファンにすぎませんが
少しでもこんなブログに
お付き合いいただける方がいればいいなぁ・・・・と思います
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# by signaless5 | 2008-01-01 00:00