カテゴリ:映画( 2 )

映画二本

この前、DVDを借りてきて映画を観ました。
その中の2本がとてもよかったです。

「未来を写した子どもたち」
「イン・トゥ・ザ・ワイルド」

生きるとは。
幸せとは。
希望とは。
人との触れあい。
愛。
豊かさとは。
何のために勉強するのか。
教育とは。
ほんとうに大事なものは何か。
自由とは。

ふたつの映画は、まったく違うものに見えて
じつは共通するさまざまなことを考えさせられます。

「未来を写した子どもたち」は、
豊かさに慣れ、欲しいものはなんでもあり、
してもらうことが当たり前になっている今の日本の子供たちに観て欲しい。

貧しく過酷な環境にある彼等が他人への思いやりを育んでいるのに対し、
豊かな国の子供は自分のことしか考えられない、という気がしてなりません。


「イン・トゥ・ザ・ワイルド」は悲しい結末にもかかわらず、
すがすがしささえ感じます。
それは彼が、精一杯「生きる」ことを追い求めたからでしょうか。
最後に主人公のクリスが見る青空。
そこで私は、賢治のある詩を思い浮かべました。

どちらの映画も、映像が美しく、音楽がいい。
どちらも大ヒットにはならないたぐいの映画化も知れませんが
見た人の奥深くにしっかりと何かを残してくれるような気がします。



   「眼にて云ふ」
 
   だめでせう
   とまりませんな
   がぶがぶ湧いてゐるですからな
   ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
   そこらは青くしんしんとして
   どうも間もなく死にさうです
   けれどもなんといゝ風でせう
   もう清明が近いので
   あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
   きれいな風が来るですな
   もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
   秋草のやうな波をたて
   焼痕のある藺草のむしろも青いです
   あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
   黒いフロックコートを召して
   こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
   これで死んでもまづは文句もありません
   血がでてゐるにかゝはらず
   こんなにのんきで苦しくないのは
   魂魄なかばからだをはなれたのですかな
   たゞどうも血のために
   それを云へないがひどいです
   あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
   わたくしから見えるのは
   やっぱりきれいな青ぞらと
   すきとほった風ばかりです。


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by signaless5 | 2009-09-07 08:30 | 映画

アース

映画「アース」をDVDで観ました。

改めて、この地球が奇跡の星であることに気付かされました。
気候、季節、風土、自然現象、植物、動物・・・そして調和。

なんて美しい映画だろうと思いました。
自然と動物たちのありのままの姿。
弱肉強食の厳しい世界。
しかし、食うものも食われるものも、みな美しい。

この映画がなぜこれほど美しいと感じるのでしょうか。
それはここには、人間も、人間が創ったものもいっさい出てこないからだと気付きました。

地球上で、唯一、醜いのは人間だけです。
足るを知らず、自然を破壊し、自然界にないものを作り出し、
他の生き物の存在を脅かし、地球を汚し、自分たちのはてしない欲望だけに生きている。

懸命に生きている他の生き物たち。
このまま温暖化が進めばホッキョクグマは、2030年までに絶滅するだろうといわれています。
2030年なんて・・・もうすぐそこに来ています。
世界一美しいといわれる日本の四季は
もはやそのリズムを狂わせています。

ほんとうに、いまからでも間に合うのでしょうか。


地球に奇跡が起こったのは
隕石の衝突によって少しずれた地軸のお陰だと
この映画の冒頭にでてきます。
地軸の話になるといつも思い出すことがあります。
宮澤清六さんの「兄のトランク」(ちくま文庫)に収録されている
「『臨終のことば』から」という文章の最後です。

その透明な生物の一人が笑いながら言っているかもしれないのだ。「一五億年間、見守ってきた地球の生物の中の数匹がやっと小さな殻を抜け出して飛び出した。そろそろ地球の公転と自転を少しずつかえてみようかなぁ・・・」などと・・・。


賢治は日本の自然をこよなく愛しました。
作品に描かれた植物、動物、星、風・・・・
それらがみんな、「むかしむかしにはあったものです」などということにならなければいいのですが。
でも、そうなる前にきっと
人類などというものはこの世から消えて無くなっているかもしれませんね。
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by signaless5 | 2009-05-01 14:01 | 映画