馬鹿旅行

大正6年7月7日、「アザリア」のメンバーは第一回の会合を持ちました。
ほとんどのメンバーが出席したその会は大いに盛り上がり
閉会後も、興奮さめやらぬ一部のメンバー、すなわち
賢治、嘉内、河本義行、小菅健吉の4人は、
盛岡から雫石まで約20kmを夜通し歩き通すという
「馬鹿旅行」を敢行します。
賢治と嘉内、二十歳のときのことです。

賢治はその時の様子を「秋田街道」という作品に残しています。
嘉内は六十首に及ぶ短歌につづり、「馬鹿旅行」と名付けました。
健吉・義もそれぞれ作品に残しています。
4人の輝かしい青春の象徴のようなできごとではなかったでしょうか。

「馬鹿旅行」・・・

なんとなく、悪い意味ではないことはわかりますが
嘉内がなぜ「馬鹿」ということばをつけたのか。
初めて聞いたとき、すこしひっかかるものがありました。

この前、三神敬子さんの文章を読んでいたとき
山梨では「馬鹿」という言葉には、一般とは少し違う意味が込められている、
それで他県の人から誤解されることがある、
というようなことが書かれてありました。
なるほど、そうだったのか。
でも、いったい、どういう感じなんだろう・・・。

幸いなことに山梨に友達がいたので、さっそく聞いてみました。

「馬鹿」はたしかにいい言葉ではないかもしれないけど
あまり怒られているとか悪くいわれているイメージではないようです。
むしろ、愛情をもって言う、そんな感じでしょうか。
「馬鹿じゃん」と言われるとうれしい。
「でっかい馬鹿」と言われるともっとうれしい、という人も。

「でかい馬鹿」は初めて聞いたのでおもしろいな~と思いました。
なんとなく、わかってきました。
山梨でいうところの「馬鹿」のニュアンスが。

私も「でっかい馬鹿じゃ~ん」と言ってもらえるような人になりたいなって
思いましたもの・・・・。


嘉内は、とてもとても愛情をこめて
あの夜の無鉄砲歩きを「馬鹿旅行」と呼んだのですね。

きっとアザリアのほかの3人には、そのニュアンスはわかっていたことでしょう。

私にもそれが理解できて
ほんとにうれしいです!
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by signaless5 | 2008-11-13 09:39 | 嘉内