人気ブログランキング | 話題のタグを見る

26番目の秋

 山は赤く 赤く色づいて 
 すすきは風に、風に揺れている
 朝はとても冷たい もうすぐ冬が来るね
 朝はとても冷たい もうすぐ冬が来るね

 病院のベッドに おばあちゃんを 
 枯れたような体をゆっくり起こして
 うれしそうに笑った ぼくをみて笑った 
 ぼくは何もいえずにうつむいて黙った

 姉には二人目の 二人目の子ども 
 上のさつきちゃんは もうお姉ちゃんになるの 
 三年前には いなかったのにね 
 そしてぼくはこの夏26

 この頃不思議な 気分になることがある
 とてもゆかいなような そのくせさみしいような
 ねえどうしてぼくは ここにいるの
 ねぇどうしてぼくは 君とここにいるの


岡林信康さんの「金色のライオン」というアルバムに入っている曲です。

今の季節にぴったりなのと、とても好きな曲なので
取り上げてみました。
くり返しのことばが印象的で
心地よいリズム感のある素敵な曲だと思います。

「朝はとてもつめたい・・・」
一見当たり前の感想のようですが
素直にすがすがしく
あるがままに物事を受け止めているこころのあり方が伝わるような
そんな気がします。

なかでも一番好きなのは
最後の歌詞。
「ねぇどうしてぼくは ここにいるの」
「ねぇどうしてぼくは 君とここにいるの」

去りゆく命、生まれくる命。
そして自分の命の不思議さ。
今ここにいて、この景色を眺めている、自分っていったい何だろう、どこから来たんだろう。

「君」と出会ったことの不思議さ。奇跡。
向かい合って、或いはふたり並んで、「君」と一緒にいるぼく。
「ぼく」の意識が、すーっと後ろに引いて
空の上に行き地球を離れひろいひろい宇宙の中にいる自分を感じている・・・

ここの歌詞をきくといつもそんなことを想像してしまうのです。

賢治も嘉内も岡林も
小さな一個の自我だけでなく
宇宙の中の命(じぶん)を感じていた・・・・のではないでしょうか。


ちなみに、
この前偶然、糸井重里さんが
一年に一度は「金色のライオン」を聴くというようなことを
書いていたのを目にしました。
(ちょっと、うれしかった!)
by signaless5 | 2008-10-28 08:49